ひだまりHoney
「ごめ……っ」
居たたまれなくなって謝ろうとした瞬間、温かな微風を感じた。
紺野さんの両腕が私を包み込んでいる。
体全体を包み込む優しい温もりも、頬をくすぐる紺野さんの髪も、抱きしめる力加減も、何もかもが私の心を甘くくすぐる。
――……こんな鎖なら、私は縛られてもいい。
紺野さんの背中に触れれば、指先に自然と力がこもった。
――……紺野さんが、好きです。
私の力に応えるように、紺野さんの腕にも力が込められた。
「本当にお前って」
彼の声が、いつもより弱々しく聞こえた。
「おい!……これ見よがしに、抱き合ったりして、俺の気持ちをどこまで弄ぶつもりなんだ」