ひだまりHoney

どうして良いのか分からずに、お茶をゴクリと飲めば、美都里さんが落ち着いた声で話し出す。

「私ね、高校の時、大田原さんのこと好きだったの」
「高校!? 知り合いだったんですか?」

目を見開けば、美都里さんはこくりと頷いた。

「私、喫茶店でアルバイトしてて。そこに彼が来て……一目惚れしちゃったの」

美都里さんは遠い目をしている。

「でも大田原さんは、バイト先のすっごく可愛い先輩の彼氏でね。しかも彼が連れ立ってくる友達もみーんな大人っぽくて、どう考えても私とは世界が違くて、告白とかそんなこと出来るわけもなくて……結局、憧れのままで私の恋は終わっちゃったんだけど」

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