ひだまりHoney

お弁当の脇にあったファッション雑誌を開き持つと、それを壁にするように美都里さんは顔を隠した。

「高校生の私は笑っちゃうくらい子供っぽくて……って、大人になっても子供っぽいままだけど」

自虐的な声音に、私は必死に首を振った。そんなことはない。見習いたいことが山ほどある。

「自分に自信なくてさ、必死に大人向けの雑誌ばっかり読んでた……それが癖みたいになっちゃって、今でも欠かせないんだけどねー」

雑誌から顔を出して、美都里さんはふふっと笑う。

「だから、イベント前日に……珠洲ちゃんにお似合いだって言われたのが、すっごく嬉しくて」

彼女の明るい微笑みが、私の心に火を灯す。なんだかくすぐったい。

「休みの間、ちょっと自分と向きあってみたの」

思い詰めたような顔つきだった美都里さんが、パッと表情を輝かせ、戸口に向かって小さくお辞儀をした。

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