ひだまりHoney
私の顔色から読み取ったのだろう。大田原さんは柔らかく微笑んだ。
「聞かなかったことにして下さい……それから断っておきますけれど、今、希世さんは晴暉と付き合ってはいませんよ、昔の彼女です。それだけははっきり言っておかないと」
大田原さんの私より綺麗な指先が、袋からサンドイッチを引っ張り出した。エビとアボカドが挟まれている。
「あ、珠洲さん。やっぱり質問しても良いでしょうか? 先ほどとは違う質問です」
大田原さんはそれを手に持ったまま、ちょっとだけ首を傾けた。
「何ですか?」
「晴暉から、デートに誘われたりしてませんか?」
「えっ!?」
大田原さんと美都里さんが、同じような瞳で私を見つめる。
探りを入れられている気分だ。