ひだまりHoney
コンビニでお昼ご飯を購入するべく乗り込んだエレベーターの中で、木村さんからランチのお誘いを受けたのだ。
こうやって外で食べるのは、いつもと違った感じでなんだか楽しい。
「ねぇねぇ、私の下の名前知ってる?」
「木村……えぇっと」
つい、ネームホルダーに目を向けると、木村さんは名前を素早く手で隠した。
「み、みのり?」
「やだ。ちょっと惜しい」
木村さんとは席も隣だし、他の女性社員と比べれば喋っている方だとは思う。
でも、こうして二人っきりでランチに行くのは初めてであり、特別親密な仲という訳でもない。
皆も木村さんと言っているから、やっぱり「木村さん」で認識してしまっている。