ひだまりHoney
けれど、何度読んでも、その名前が上手く頭に入ってこなかった。
「俺を応援しに来て」
紺野さんが真剣な顔をしていた。
名刺を持つ指が震える。
「……でさ。終わったら、デートしよ」
ちょっとだけ恥ずかしそうな表情を浮かべ、紺野さんは席を立った。
「ごちそうさま」
そして足早に部屋から出て行ってしまった。
デートに……誘われてしまった。
名刺を握り締めたまま、私はしばらく動けなかった。