ひだまりHoney
偶然のはじまり
何かしようかと、椅子から腰を浮かせたけれど、私はリビングの壁掛け時計を横目で見、また腰を掛けた。
家を出る予定時刻まで、あと一時間半もある。
まだまだゆっくりしていて良いのに、落ち着かない。緊張しているせいだ。
カレンダーを見れば、口元に力が入る。
今日は日曜日。
紺野さんから誘われた日曜日だ。
紺野さん、練習試合。私、応援。その後、デート。
……デート?……デートってちゃんと言ったよね?
もしかしたら何かと聞き間違えていたりしていないだろうか。
だとしたら、願望が幻聴で……凄く恥ずかしい。
思い返せば、あのランチタイムから、あまり紺野さんと喋っていない。