ひだまりHoney

よく姿は見かけるけれど、チームが違えば、ここまで縁遠くなるのかと思えてくるほど、言葉を交わす機会が減ってしまった。

紺野さんが忙しいということもある。引っ切りなしに彼の名前が呼ばれ、あっちこっちと動き回っている。

それでも、休憩時間には何度か言葉を交わした。

しかし、大抵誰かがその場に居合わせる。

とてもじゃないけれど、今日のことに関する話は出来なかった。

新調したばかりの小さめのショルダーバックを開け、中からスマホを取り出す。

開いたメールは、紺野さんから昨日の夜に送られてきたもの。

『明日、忘れんなよ!』

短い要求の言葉に、私はもう一度視線を走らせる。

それに対して『忘れてませんよ! 頑張ってください』とだけ、返信をした。

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