ひだまりHoney

弟が私を見上げるように、ぺたりと腰を下ろした。

「何?」
「姉ちゃん、最近……嫌なことなかった?」
「嫌なこと?」

弟の言う嫌なこととは、大抵、変な男に絡まれなかったか……ということだ。

ここ最近で思い当たるのは、やっぱり上田係長。

もう少し前だったら、電車内で痴漢に遭ったこと。

「……まぁ、それなりに色々」
「ほら、酔っ払いに絡まれたりした時にさ」
「酔っ払い?」

紺野さんにラーメンを奢ってもらった時、確かに絡まれそうになったけれど……あれは紺野さんが助けてくれたし問題は無い。

「別に」と首を振った瞬間、弟の口が微かに開いた。驚いたらしい。

「やっっっと、彼氏できたんだな!」

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