ひだまりHoney
今度は私が驚く番だった。
「えぇ!? 何言ってんの!? できてません!」
やっとという言葉に力が入りすぎていることにイラッとしながら、嫌みったらしく即答すれば、弟がぱちぱちと瞬きをした。
「アレ、彼氏じゃないの!? 彼氏未満の男とキスできるなんて、成長したじゃん! 俺もやっと姉ちゃんのお守りから解放される!」
「……キス?」
「姉ちゃん、男とキスしてたじゃん!」
「キスなんかしてない」
「またまた。俺、ファミレスから見てたもんね。酔っ払いに絡まれてるカップルがいるって友達が言うから、見てみたら姉ちゃんで、しかも男は超イケメン! 後ろからギュッ。酔っ払い豪快に吐く。姉ちゃん男とチュッ。車到着。高級車! そして姉ちゃんも嫌がることなく乗車」