ひだまりHoney
言い終われば、弟は自慢げな笑みを浮かべた。
ファミレス……あったような気がする。
「一部始終見てたからね。男紹介してよ……あ、やっぱいいや。同じ会社の人? 会社の前で待ち伏せしたら出てくる? 一応、探り入れてやろうか? イケメン金持ちは遊んでポイッてイメージあるからな」
「ばっかじゃないの!? 彼とはそういう関係じゃないし、キスなんてしてないから!」
「はいはい」とあしらわれた。
思わず弟を睨み付けたけれど、私はパンフスに半分だけ入っていた足を慌てて引き抜き、リビングのテーブルへと向かった。
行き先が書かれている名刺を、テーブルの上に置いたままだったのだ。
掴み取ろうとし手を伸ばせば、私に気付いた弟がそれを横取りした。