ひだまりHoney

「紺野晴暉ね。了解……デートが始まった瞬間から相手をよく見ろ! やりたいだけかそうじゃないのか、良く見極めろ! 分からないなら、家には行くな! ホテルも入るな! 以上!……って、あれ? ここって」

凉太の視線は、名刺の表面じゃなくて裏面に突き刺さっている。

ジロリと見られて、私はしかめっ面を返した。

「私はこれから、サッカーの練習試合を観に行くの! 悪い!?」

段々と凉太の瞳が輝き出す。

これは良くない兆候だ。次に何の言葉が飛び出すのかと、私は身構えた。

「俺も! 今からここ行くんだよねー」
「はい!?」
「ちなみに、俺らも練習試合です。あらららら? ってことはー!?」
「……ちょっと待って」

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