ひだまりHoney

偶然の続き


駅から徒歩十分の場所にあるスポーツ施設。

初めて行く場所のため迷わないか不安だったけれど、弟は現地案内図の前で立ち止まることなく足早に通り過ぎていった。

このまま弟を追いかければ、無事に辿り着けるだろうことは明白だ。

けれど同時に、辿り着いた後に憂鬱となることも予想できた。

野球場やテニスコートの脇を通り、サッカーの施設らしき物が見えてきたとき、弟が大きく手を振り、走り出した。

向かった先には男の子が二人。どちらも、パーカーの下に真っ赤なユニフォームを着ている。大学のサッカー仲間のようだ。

弟がナビ代わりとなり、目的地周辺にまで連れてきてくれた。

それは感謝するけれど、もうここで役目は終了。弟は用済みである。

< 261 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop