ひだまりHoney

「あ! 凉太のお姉さん!」
「こんにちは! もしかして俺らの応援に来てくれたんですか!?」
「えっ……あの……それは」
「有り難うございます!!」

違いますという前に、感謝の言葉を述べられてしまえば、否定するのが心苦しくなってしまう。とりあえず曖昧に笑っておこう。

弟たちが歩き出し、私の横につく。私も歩きながら、彼らから距離を取った。

「俺らの応援だけじゃなくて、彼氏の応援もするみたいだよ」
「え? 彼氏って、あのイケメンの?」
「あぁ、ファミレスで見た人ね」
「対戦する社会人チームにいるみたい」
「へぇ」

競技場に近付くにつれて、人の数が多くなっていく。

サッカーコートが二面あるらしいことに気がついて、私は立ち止まった。

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