ひだまりHoney

弟に腕を叩かれて、通路奥に目を向ける。

紺野さんがいた。

彼は多くの人の中心にいた。

知らない人に交じって、松戸さんに桃宮さん、そして大田原さんの姿もある。

楽しそうに談笑していた紺野さんの視線が、私の方に移動し――……目が合った瞬間、彼は微笑みを浮かべた。

その反応が嬉しくて、心が跳ねた。

黒いウィンドブレーカーの下にユニホームらしき青を身に着けている。

ワイシャツにスラックスでビシッと引き締まった姿も素敵だけれど、スポーティな雰囲気もまた格好いい。

「あっ……思い出した! あの人……彼氏さん、フットサルやってませんか?」
「彼氏じゃないですけど。やってるみたいですよ」

弟の友人の一人が興奮気味で私に向かってきた。当然体は拒絶する。足が下がった。

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