ひだまりHoney

弟の頬をつねれば、友人その二が、「ちょっとちょっと」と口を挟んできた。表情が強ばっている。

「彼氏さんと他の何人か、驚いた顔でこっち見てるぞ」

紺野さんだけでなく、松戸さん達と大田原さんも、衝撃映像でも見ているかのように、目を見開いている。

「……みんな私の会社の人です」
「っつーか彼氏さん、お前が弟だって知らねぇの?」
「え? 直接会ったことねーし、あっちは俺の顔も知らないって」

確かに、私がこんな若い子達と戯れていると……戯れているのは弟一人だけだけど……変な感じがするのだろう。

紺野さんの不思議そうな視線に、いたたまれなくなる。

このまま弟を突き飛ばし、「弟なんです」と走り寄っていきたい。

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