ひだまりHoney

あまり目立たない場所へと歩を進め腰掛けると、聞き慣れた声が追いかけてきた。

「こんな場所で良いのですか? 珠洲さん」
「大田原さん」
「隣、良いですか?」

大田原さんが穏やかに問いかける。私は頷いた。

「晴暉に誘われて、ここに? それとも、先ほどの男の子に誘われたのですか?」

隣に座るやいなや、彼はまた問いかけてきた。いつもより口早だ。よほど気になったのだろう。

「紺野さんの方にです」
「そうですか。随分仲が良さそうな男の子がいましたから、つい」
「それはまぁ……あれは私の弟ですから。実は、弟のチームが今日の紺野さんの対戦チームだったみたいで」
「わぁ、それは凄い偶然ですね」
「そうですよね。驚きました」
「……弟さんでしたか」

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