ひだまりHoney
大田原さんは口元に手をあてて、おかしそうに笑う。
どうしたのだろうと目を向ければ、彼はまた笑った。
「あとで、それを晴暉にも言ってあげて下さい。松戸君たちにも。揃いも揃って、みんな勘違いしていますから」
大田原さんはちらりと腕時計を確認した。
「本当だったら、プレイ前に言ってあげた方が良かったかもしれませんけど」
「大田原さんは、よく来るんですか? 観戦に」
「いいえ。初めてです。今日は晴暉に頼まれましたので、来ました」
そして目を細め、空を眺めたのち、大田原さんは椅子から腰を浮かせた。
「今日は暑いですね……何か、飲み物を買ってきます。珠洲さんも何か飲みますか?」
「……頼んでも良いですか?」
「えぇ。もちろん」
「お茶か水か、無ければコーヒーで」