ひだまりHoney
美都里さんは口元を指先で覆って、心配そうに私を見た。
「あれ……私、何か変なこと言ってる?」
私は美都里さんのキラキラと可愛らしく飾られた爪を見ながら、苦笑気味に首を振った。
「大田原さんは綺麗な顔してるなと思いました。それに服のセンスも良いと思います」
「あぁ良かった。あの二人の顔の良さはオールエヌ女子社員の共通認識だもんね」
綺麗な顔をしているなとは思った。思ったけれど、だからと言って好意を持ったわけでもない。
他の男性と同じで、私の半径一メートル以内に入ってきて欲しくない。
けど、それを言ったら確実に引かれる気がして、私は口を閉じた。
「私は紺野派だけどね。性格良いから。珠洲ちゃんは?」
「……私、紺野さんって人、知らないです」