ひだまりHoney
ピッチに立つ紺野さんを見つめながら、大田原さんは言葉を紡ぐ。
「練習の連絡も頻繁にきているようですし、晴暉本人はどう感じているか分かりませんけど、チーム側からしてみればメンバーの一員として数えているかもしれませんね」
大田原さんも口を閉じてしまえば、自然と私の視界はグラウンドを走り回る彼の元に戻っていく。
諦めない精神力。心の強さ。
誰よりも強く、誰よりも輝いている。
格好いい……本当に。
ホイッスルが鳴って、学生側から歓声が上がった。
紺野さんは立ち止まり身を曲げ、膝に両手をついた。苦しそうに肩が上下する。
「晴暉たち、負けちゃいましたね。残念です」
「結果は残念ですけど……でも、すごくドキドキしました。頑張ってる姿って良いですね。私も明日から仕事頑張ろうと思います」