ひだまりHoney
「のろけんなよ。っつーか、お前ら早く結婚しちゃえよ。なんでしないの? 晴暉の稼ぎ頼りないのか?」
希世さんの後ろにいた男の人が、大田原さんをちらりと見ながら、発言の主である男性を肘で突いた。
「馬鹿、オールエヌだろ? 良いに決まってんじゃん」
「あ、そっか」
彼も大田原さんに気付いたんだろう。申し訳なさそうな顔をしてから、話を切り替えた。
「あのさー……これからどうする?」
「飯食って帰る? 希世は?」
「私、晴暉を待ってるわ」
「何だよ。これから二人でどっか行くのか? ホテルで残念会か?」
「そうね。それも良いかもしれない。今日の晴暉、素敵だったし。慰めてあげるわ」
「はいはい。ご馳走様」
慌てて下を向いたけれど、頭の中には希世さんの残像が残っている。