ひだまりHoney

振り払おうとしても、蘇ってくる。

細いけれど、女性らしいラインはしっかり出ている体。

紺野さんに抱かれたことのある体。

きっと紺野さんは、優しく抱くのだろう。

私を見下ろす勇弥くんの冷たい表情がフラッシュバックする。

身震いすれば、大田原さんが気だるそうに立ち上がった。固まっている体をほぐすように、両手を伸ばす気配がした。

「晴暉も彼女じゃないというのなら、面倒くさがらず、綺麗に断ち切るべきですよね。流されすぎです」

紺野さんと希世さんの関係がよく分からない。

どんな風に繋がっているのか分からない以上、希世さんという女性を元彼女というより、彼女と認識していた方が良いのかもしれない。

身のためなのかもしれない。

でも……。
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