ひだまりHoney
私をデートに誘ったのは紺野さんだ。
希世さんの見ている前で、もし私の手を引いてくれるのなら……その時はちゃんとこの想いを告げよう。
今までの自分から変わる努力をもっとしよう。
「僕たちも、晴暉の出待ちしましょうか?」
「そうですね」
希世さんだけでなく、自分の弱い部分とも立ち向かうべく、私は立ち上がった。
廊下に出れば、ひんやりと冷たい空気が私を包んだ。
でもすぐにそれは熱気に変わる。観客席で見かけた人たちで溢れかえっていた。
背伸びをし奥を見て、ハッとする。
「大田原さん。私、ペットボトル捨ててきます」
「あ、はい。お願いします」
「それから、ちょっと人が多くて酔いそうなので売店にいます。紺野さんの姿が見えたら、戻ってきます」