ひだまりHoney

「しっ、知らないの?……彼氏なし女子社員のほとんどが、大田原さんか紺野さんを手に入れるべく躍起になってるっていうのに」
「すみません」
「そっかごめん! 珠洲ちゃん、彼氏いるんだね! だからイケメンセンサー働きませんって感じ?」
「彼氏いません」

ゆるゆると首を振れば、美都里さんの困り顔は真剣な顔に変わっていく。

「同性愛者でも、私は良いと思うよ……色々大変だとは思うけど」
「ちっ、違います! 確かに女性相手の方が話し易いですけど、恋心的どきどきは全くしません」
「あぁー……そう」

お互いの瞳を見つめ合って数秒後、私たちはそれぞれのドリンクに手を伸ばし、冷たい液体を一口飲み込んだ。

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