ひだまりHoney
違う紺野さんを知った上で、この人のように私も「好き」を保つ事が出来るのだろうか。
ふっと笑う声がした。見上げれば、勝ち誇った顔があった。
「まぁ、抱かないでしょうけど……だって晴暉は私で満足してるもの」
希世さんの視線がガラスの向こうを彷徨った。あっと嬉しそうな声を発してから、愛しそうに微笑んだ。
視線の先には、着替えを終えてみんなと合流した紺野さんがいた。
「これ以上、晴暉の時間に干渉しないで。貴方のどうでも良いような時間に晴暉を巻き込まないで」
もう希世さんの目に、私など映っていなかった。
軽やかな足取りで店から出て行くその姿に、自然とため息が零れた。
何て言われても、今の私は紺野さんが好きだ。