ひだまりHoney
「そう思ってた所に、硬派な紺野さんと一緒に仕事とか……これってすごいチャンスじゃない?」
ウエディングドレスというものに憧れはあったりするけれど、結婚となれば話は別。
相手探しよりも先に、自分の体に染みついてしまった黒い塊を切り捨てなくては、付き合うという地点にすら辿り着けないのだ。
「ねぇねぇ。話戻すけど……珠洲ちゃんも一緒に行こうよ」
紙ナプキンで口元を拭いてから、美都里さんは声を潜めて話し出した。
「社員さんの話を聞いたりして私なりに思ったんだけど、この会社の中でエロ腐りしてるのって、上田係長だけだと思うんだよね」
「エロ腐り?」
「エッチなヤツとか、つかみ所の無いヤツとか、個性的な奴らとか、この会社にはいっぱいいるけど、職権乱用セクハラ男はアイツくらいじゃないかなって」