ひだまりHoney

黙々とパソコンに向かって仕事をしていた紺野さんが、右肩を回しながら軽く息を吐き出した。

つられるように私もため息をつけば、細長い指先がデスクの表面をトントンと叩いた。

「珠洲さん、聞いていますか?」
「えっ!? あ、すみません……えぇと」

大田原さんが苦笑している。

さらに焦りが募ってしまい挙動不審気味になれば、美都里さんのふふっと笑う声が聞こえた。

「一区切りつきましたら、お昼にして下さい」
「はい。分かりました」

よく見れば、テーブルには大田原さんと美都里さんしかいなかった。

他の社員はとっくに区切りを付け、昼ご飯への旅に赴いてしまったようだ。

自分のチームだけではない。殆どのテーブルがランチモードに入っている。

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