ひだまりHoney
あぁ、もう! ダメダメ! これじゃ駄目! 集中集中!
上の空になってしまっている自分を心の中で叱咤しながら、パソコン画面に目を向けた。
今手がけている仕事の終わりを、私は見届ける事が出来ない。それもちょっと心残りだ。
けれど与えられた仕事は、最後まで力一杯こなしてから去りたい。
「……あっ。もうこんな時間か。みんな自分のタイミングで昼飯に入って」
仕事に邁進しようと心を入れ替えたばかりなのに、この耳は低く優しげな声を自動的に拾ってしまう。
「俺、先に飯にするわ」
紺野さんのいるデスクで数人ぶんの返事があがり、私の指先が停止する。
パソコンの画面には、少し前に並べ終えた数字の羅列。