ひだまりHoney

不安がる気持ちを抑え込むように、持っていた紙袋を抱きしめた。

女性の視線は問題無いのだけれど、男性の視線は嫌なのだ。

もちろんすれ違い様に目を向けてくる彼らは、どうしたのだろうという疑問しか抱いていないことは分かっている。

分かっているけれど、身が竦んでしまう。

紺野さんのウインドブレーカーを紙袋ごと抱きしめる。

微かに、彼のにおいがしたような気がした。

少しだけ落ち着きを取り戻し、また人の流れに目を戻せば、大きなガラス窓の向こうを颯爽と歩く、紺野さんの姿が見えた。

大きく息を吸い込んでから、私はまた走り出した。

紺野さんはあの日のことに触れてはこない……でも、見守ってくれる瞳をいつも強く感じる。

大きな優しさで包んでくれている。

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