ひだまりHoney
ここ数日間、私は契約更新すれば良かったとずっと後悔していた。
フロアに入れば皆の熱意に触発され、綺麗な廊下を歩けば身が引き締まる。
自販機前の長いすに降り注ぐ小窓からの日差しはとても心地良く、私の癒しの場所にもなっていた。
仕事は忙しかったけれど、事務にいるときよりも居心地度は格段にアップした。
もちろん、紺野さんという存在が一役買っているのは分かっている。
元カレのせいで、最後は後味の悪さが残ってしまったようにも思えるけれど……それでも私は良かったと思う。
紺野さんに会えたのだから。
「珠洲ちゃんって、派遣期間の延長ってしなかったの?」
身支度を調えてからエレベーターに向かう途中で、美都里さんが不思議そうに私を見た。