ひだまりHoney

「……そこくるか」
「今から会うんですよね?」
「何で知ってるの?」
「さっき話してるの聞こえました」
「そっか……ちゃんと、向き合おうと思って」

ちゃんと向きあう。

ヨリを戻すってことだろうか。結婚を意識したのだろうか。

ポケットの中で私の携帯がメロディを奏でた。クラシックだ。

「着信変えた?」
「はい……誰かから電話が掛かってくる度、思い出しちゃって、嫌だから」
「俺もテレビとかであの曲耳にするとドキッとする。でもその反面、俺を珠洲の所まで導いてくれた曲だから、感謝もしてる」

紺野さんの真っ直ぐな瞳に、のみ込まれそうになる。

自然に、紺野さんが私を珠洲って呼んでくれている。

嬉しくて、舞い上がってしまいそうだ。

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