ひだまりHoney

けれど「好きです」と言いたくなる度に、希世さんが脳裏を横切っていく。

気持ちが削がれていく。私は紺野さんから目を反らし、おもむろに携帯を手に取った。

「あっ……弟だ」
「凉太君?」
「はい」

「すみません」と一言置いてから、私は弟と話し出す。

弟は数日前に顔見知りになったばかりなのに、もう「凉太君」なのか……ちょっとおもしろくない。

イライラとため息を織り交ぜながら弟との会話を終えると、すぐに紺野さんの視線に気がついた。

何を話していたのか気になったようだ。

「……えーっと。弟が、今日の夕飯は寿司が良いから、私に奢れって」
「寿司か、良いな。俺も食事に混ざりたい、凉太君とまたサッカー話したいし。今度誘ってよ」

今度と言う言葉にいちいち心が反応する。

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