ひだまりHoney

「後悔するなよ」

近付いてくるその体に、私の体はゆっくり倒されていく。

椅子の柔らかさに背中が到着し、紺野さんの手が私の頭に移動する。

髪を撫でるその指先に縫い止められていく。

私の視界には紺野さんだけ。

大好きな瞳も、私だけを映している。

大きな手で両頬を包み込まれれば、顔がゆっくり近付いて……紺野さんの額が、私の額に押し当てられた。

「抱かない」

きっぱりと彼はそう言った。

夢見心地だった私に容赦なく不意打ちをくらわせる。涙が込み上げてきた。

紺野さんの顔が離れていく。

彼に腕を引っ張られ、私の体は簡単に引き起こされてしまった。

やっぱり抱いてはもらえない。私じゃ駄目なんだ。

「……でもさ」

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