ひだまりHoney

そこから、ついさっきまでの雨の強さを伺い知ることが出来た。

弟の声に耳を貸さず、私はがむしゃらに走り出した。

この寿司店は、会社からそれほど遠くない。

近くの公園と聞いて思い浮かぶのは、三つ。

一つ目は、一歩踏み込めば、見渡せてしまうほどの小さな公園。

そこに紺野さんの姿はなかった。

二つ目は、先ほどの倍の大きさがある公園。

目を懲らしたけれど、その姿は見つけられなかった。

三つ目に望みを託す。駅近くにある大きな公園だ。

前の二つとは違って、傘を差して歩く人の姿が所々で見受けられた。

一人一人、男の人へ目を向けるけれど、彼を見つけることが出来ない。焦りが生じる。
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