ひだまりHoney
係長はぐっと言葉に詰まった後、私をびしっと指さしてきた。
「とっ、とにかく……お茶だ! お茶を入れてきてくれ!」
「お茶、ですか?」
「あぁ」
「今から、ですか?」
「そうだと言っているだろ!」
顔を赤らめ鬼の形相となってしまっている係長に、これ以上逆らってはいけないと察知し、小さく「わかりました」と返事をした。
手にしたトレーの上に湯飲みを置いて、トボトボと廊下へ出た。
項垂れながら給湯室に向かっていくと、ちょうど美都里さんが階段から降りてきた。
「大田原さんに、珠洲ちゃんを迎えに行ってって言われて降りてきたんだけど……何で湯飲み茶碗なんか持ってるの?」