ひだまりHoney

来て欲しい


「店に電話してみようぜ」

廊下の自動販売機前に、帰り支度の済んだメンバーが集まっている。

桃宮さんが松戸さんのスマホを覗き込み、本日の飲み会場所を検索中だ。

美都里さんはファンデーション片手に化粧を直していて、私はと言うと……ぼんやりとフロアの方を眺めている。

「えーっと今日は、俺らに平加戸さんに木村さん。あとは?」
「あ。大田原さん行きたいって」

美都里さんが鏡から視線を上げて、素早く付け加えた。

「大田原さんもって事は」
「紺野っちもだな。全部で六人ね……ってか、紺野さん行けるのか?」

美都里さんのぱっちり瞳が、私を見た。

「なんか私……ちょっと最近、紺野さん近寄りがたくて、誘ってないんだけど……珠洲ちゃん誘ってくれた?」

首を横に振れば、艶のある下唇がガクンと下がった。

< 362 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop