ひだまりHoney
来て欲しい
「店に電話してみようぜ」
廊下の自動販売機前に、帰り支度の済んだメンバーが集まっている。
桃宮さんが松戸さんのスマホを覗き込み、本日の飲み会場所を検索中だ。
美都里さんはファンデーション片手に化粧を直していて、私はと言うと……ぼんやりとフロアの方を眺めている。
「えーっと今日は、俺らに平加戸さんに木村さん。あとは?」
「あ。大田原さん行きたいって」
美都里さんが鏡から視線を上げて、素早く付け加えた。
「大田原さんもって事は」
「紺野っちもだな。全部で六人ね……ってか、紺野さん行けるのか?」
美都里さんのぱっちり瞳が、私を見た。
「なんか私……ちょっと最近、紺野さん近寄りがたくて、誘ってないんだけど……珠洲ちゃん誘ってくれた?」
首を横に振れば、艶のある下唇がガクンと下がった。