ひだまりHoney
彼女たちの姿を目で追いかけていた男二人が、戸口から覗き見していた私の姿を捉えるまでに、時間はかからなかった。
「お、お疲れ様でした」
お疲れ様じゃないだろうと自分に突っ込みを入れ、私は二人に向かって歩き出した。
「あの、大田原さん……今日って」
「えぇ。もちろん行きますよ。心待ちにしていました」
「……何の話?」
誘うなら今だ。
でも誘ったら、数秒前と同じように面倒くさそうな顔をされるかもしれない。
それか希世と会うからと断られるか、どっちかだ。
……もう、どっちでも良い!
訝しげな顔をした紺野さんに、私は体を向ける。背筋を伸ばした。
挑むように見れば、紺野さんが大田原さんへ一歩近付いた。