ひだまりHoney
前に
駅の構内を急ぎ足で進んでいく。
登録している派遣会社に報告と書類を受け取りに行き、その足で、私はみんなのいる居酒屋に向かっている。
もうすぐ七時。お酒も入っていることだし、大田原さん以外はきっと大騒ぎしているだろう。
光景を思い浮かべれば、進む足がちょっとだけ浮つく。私もみんなの輪の中に早く入りたい。
でもそう思う反面、紺野さんのことを考えると不安になる。気持ちが落ちていく。
紺野さんはいつ来るのだろうか。
本当に来てくれるのだろうか。
双子風二人組は、例え紺野さんの到着が閉店間際になったとしても、騒ぎながら待つと言っていた。
私だって意気込みは同じ。
紺野さんが「待ってて」と言ったのだから、来るまで待ちたい……だから今は、帰宅時間のことは極力考えないようにしている。