ひだまりHoney
「晴暉は貴方を好きじゃない」
「……やめて」
「本当は鬱陶しいと思ってる。面倒くさいと思ってる。仕事先が一緒だから、良くしてあげてるだけ」
「……来ないで」
恐い。
初めて女性に対して恐いと思った。
背中が壁にぶつかり、冷たく堅い感触に鳥肌が立った。
「晴暉は貴方のことなんて好きじゃない」
体だけでなく、心まで追い込まれる。
「晴暉が貴方を気に掛けるのは、その態度のせいよ……怯える姿に、ただ同情してるだけ」
同情。
自分の顔を見られたくなくて下を向けば、あざ笑うような声が聞こえてきた。
私は唇を噛んだ。
「……私は」
「何よ」