ひだまりHoney

立ち上がろうとする松戸さんを、桃宮さんが抑えつけた。

「どうなってんだ!」
「どうって言われても……」

答えに困って皆を見回せば、それぞれが思ったことを口にする。

「紺野さんさぁ、この前エレベーターで、平加戸ちゃんのこと珠洲って呼んだよね!」
「あっ! 私も聞いた! 驚いちゃった」
「僕なんて、珠洲さんを支えようと手を出したら、晴暉に邪魔されましたよ」
「ずっと貞子を放置してたのに、ここ最近、身辺整理に必死っすよね」

じーっと四人の視線が私に集まってくる。

「……私」

口を開けば、松戸さんが桃宮さんを乗り越え、膝をすりながらじりじりと近寄ってきた。

「カシスオレンジが飲みたいです!」
「そんなのどうでも良い! 早く言え。どうなってんだ! おいっ!」
「そこどいて」
「あぁ!?」
「珠洲に近寄るな、酔っ払い」
「ぎゃっ! 紺野っち!」

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