ひだまりHoney
「美都里さん、大丈夫ですか!?」
大田原さんが心配そうに声を掛けた。
「ちょっとだけ気持ち悪い」
美都里さんからくぐもった声が出た。
「もうここまでにしておきましょうか」
大田原さんが美都里さんの手の中からグラスを掴み上げ、テーブルに置く。
「もうこんな時間ですね。そろそろ帰りますか?」
紺野さんも腕時計を確認し「もう十一時半か」と呟くと、私に目を向けた。
「珠洲はどうする?」
「私は……どうしよう」
どちらかと言えば、もう少しここにいたい。そんなに紺野さんと話をしていない。
「もう少しここにいたら良いですよ」
ふらりと立ち上がった美都里さんを支えるように、大田原さんも立ち上がり、私に笑みを向けた。