ひだまりHoney

「珠洲さんをしっかり送り届けてあげてくださいよ」

ぽんっと大田原さんが紺野さんの肩を叩いた。

「もちろん」
「それでは、お先に失礼します……足りなかったら、後で請求してください」

財布から一番高価なお札を取り出しテーブルに置いた。

「あー……大田原さん、そのままどこかに連れ込まないでくださいよー」
「ふふっ。分かっています……けれど、数ヶ月後に寿退社させてしまったら、すみません」
「わ、孕ませる気だ」
「おい、晃。こいつら本気にするから止めとけ」
「はいはい。ではまた来週。珠洲さんも、近いうちにまた」
「はい。また」

美都里さんを連れだって、大田原さんは座敷を降りていった。

「飄々としてんなー」
「さすがTHE大田原」

ケラケラ笑い出した二人とわずかに距離を置けば、紺野さんが「珠洲」と私を呼んだ。

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