ひだまりHoney
だからずっと、時間差でのメールのやりとりが続いている。
紺野さんの声が聞きたいなとか、顔が見たいなとか、ふと考えてしまう時、仕事先がオールエヌだったら良いのにと思ってしまうのだ。
ここ一ヶ月はイベントが立て込んでいて、紺野さんは土日も仕事人間のままである。
休みの日も会えないから、余計恋しさが募っていく。
「あっ」
見えた姿に持っていた雑誌を慌ててラックに戻し、私はコンビニを飛び出した。
「美都里さん!」
オールエヌの入ったビルから出てきた彼女も迷わず私を見付け、小さく手を振った。
「珠洲ちゃん、久しぶり! ごめんね。待たせちゃって」
「大丈夫です」
「今日は金曜日なのに、誘っちゃって良かった? 紺野さんと会う約束とか」
「してません」
「そう。珍しく紺野さんが帰る様子だったから、ちょっと慌てちゃった」