ひだまりHoney

本当に行ったのかと眉をひそめると、美都里さんがふっと笑った。

「こっちは食事が喉を通らなかったわよ」
「え? 美都里さんも行ったんですか?」
「あ、そこは聞いてない? 私だけじゃなくて、松戸君たちも行ったよ。あの二人が珠洲ちゃんのことで紺野さんをからかうから、あの子達、鬼みたいな顔になっちゃって」
「……お、鬼」
「うん。狙ってた男が彼女持ちだって知った途端、顔つき変わったわよ」

初めて、オールエヌにいなくて良かったと思った。いたら嫌みを言われていただろう。

そこまで言って、美都里さんが小さなため息を挟んだ。

彼女の思い詰めた顔を見て、私は慌てて周囲を見回す。

「食事でもしながら、落ち着いて話をしましょう」

ファミレス、飲み屋、ラーメン屋、洋食屋……どこが良いだろうか。どこが落ち着けるだろうか。分からない。

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