ひだまりHoney
「ごめんね。相談出来る人……珠洲ちゃんしか思い浮かばなくて」
「謝らないでください」
「あのね……」
美都里さんは胸の前で両手を組み、俯いた。
組んだ指先に力が入っている。
でもすぐに力を抜き、右手をそっと下腹部に添えた。
思わず私は瞬きをくり返してしまった。
「も、もしかして、美都里さん」
「妊娠してるの」
「に、にん、しん!?」
美都里さんは「うん」と頷いた。
妊娠と言われ思い出したのは「数ヶ月後に美都里さんを寿退社」発言をしたあの人の顔だ。
「相手って……もしかして、大田原さん?」
「なっ、なんで分かったの!? もしかして……私としてることまで、大田原さんは紺野さんに話してるの!?」
「そ、それは違います! 断じて違います! な、何となくです。勘です」
「……そう」
「あの。このことは大田原さんには」