ひだまりHoney
「珠洲! どうしてここに?」
「メール確認、ちょっと待ってください」
「え?」
待ってと言ったのに、彼は視線を落とし、内容を確認してしまった。
微笑んでいた顔が、急激にこわばっていく。
厳しい表情をたたえたまま、ずんずんとこちらに進んできた。
「妊娠って、どういうこと?」
「違うんです」
「俺たち、まだしてないよね?」
「仰る通りです……だから、これは、あの」
「妊娠!?」と松戸さん達から声が上がる。聞き逃してはくれなかったようだ。
知ったら言いふらすだろう人たちに、よりによって聞かれてしまった。
横目で美都里さんを見て、さらに後悔する。美都里さんの瞳から、今にも涙がこぼれ落ちそうだ。
美都里さんの居場所を確保するべく、私は拳を握りしめた。
「そうです。私が妊娠しました。だから話を聞いて下さい。お願いします!」