ひだまりHoney
苦笑いで似通った背中を見つめていると、美都里さんの小さな叫び声が聞こえてきた。
見れば、電話を掛けようとしている紺野さんの腕を、美都里さんが掴んでいた。
「もしかして晃さんに、かけようとしてますか? ちょっと待って下さい」
「晃がいないと話が進まないだろ」
「でも」
「でもじゃない。早く教えてやれよ……喜ぶから」
「えっ」
紺野さんの微笑みに、美都里さんが力を抜く。大人しくなった。
「晃?……もう会社出た?……うん……どこにいる? ちょっと話あるんだけど」
美都里さんが私の隣に並ぶ。
彼女から緊張感が伝わってきて、私まで鼓動が早くなっていく。
「実家に向かってる? 待って。戻ってきて……こっちの話の方が絶対重要だって……会社の近くの公園……そう、そこ。何分くらいで着く?」
紺野さんは口をへの字に結ぶ。