ひだまりHoney
しかし美都里さんを見て、その瞳を輝かせた。何か思いついたらしい。
「木村! 二十分くらい待たされるけど、どうする? 公園で待つ? それともどこかの店に入って座って待つか?」
「大丈夫です。疲れたらベンチもありますし」
紺野さんがふふっと可笑しそうに笑う。美都里さんの返答に対して笑ったのではなさそうだ。
「分かった。じゃ」
通話を切ると、また紺野さんは口の端を上げる。
「木村がいるなら十分で来るってさ」
「本当ですか?」
「僕の可愛い彼女を待ちくたびれさせません……だってさ」
あぁ。大田原さんも相変わらずなようだ。
道路が見えるベンチに、ひとまず私たちは移動する。
美都里さんと私が腰掛ければ、紺野さんは目の前に立ち、腕を組んで笑みを浮かべた。
「木村が妊娠か。お前確か、イベント二つ掛け持ってたよな」