ひだまりHoney
「はい。先週立ち上がったイベントにも参加したので、三つです」
「三つか……減らした方が良いよな。誰かに仕事回すか」
考えを巡らせている紺野さんを見つめていると、彼の視線がおもむろに私へと降りてきた。
「珠洲、戻ってくる?」
「えっ!?」
また紺野さんと毎日顔を合わせられる日々が戻ってくる……そう考えると魅力的なお誘いだ。
けれどだからと言って、「はい分かりました」で簡単に物事は動かせない。
「派遣の期間、まだまだ残ってますから」
「そうだよな。ごめん」
「紺野さんと珠洲ちゃんが付き合ってること結構知られているじゃないですか。珠洲ちゃん戻ってきて、同じ部署は駄目だって事務に配属されたりしたら可愛そうですよ」
「あ、そうか。俺もそれは嫌だ」
「私も嫌です」
上田タヌキを思い出せば、薄ら寒くなった。私は両手で自分の体を抱きしめる。