ひだまりHoney
「あの……晃さん。実は」
「何でしょう……あっ、プロポーズなら僕からしますので、遠慮してくださいね」
「えぇっ!?…………で、でもお見合いの話、進んでるって」
「あぁ、はい。そうですね。相手の方が僕を凄く気に入ってしまったようで、父と母を丸め込もうとしてくるんですよね。財力に物を言わせて」
美都里さんは目を丸くするが、大田原さんの表情はあくまでもにこやかだ。
「でも僕としては破談の方向で進めています。大丈夫です。ちゃんと破談にしますから……時間はもう少しかかりそうですけれど」
もしお見合い相手として将来有望な王子様フェイスの大田原さんが現れたら、相手側としては彼を逃すものかと思ってしまうのかもしれない。
それにしてもと、私は自分の斜め前にいる紺野さんをちらりと見た。
「従兄弟揃って、きっぱりと別れられないタイプなんですね」